老若男女問わず、アトピーを持っている人は数多く、アトピーに悩まされている人も数多くいるといわれています。アトピーとは、どのような疾患なのかを理解し、原因を突き止め、改善していくことが重要になります。今回は、アトピーになりやすい人の特徴や原因、治療などについてご紹介いたします。
アトピーの特徴としては、肌の水分保持能力が低く、肌が乾燥しやすいことがあげられます。
簡単にいえば、その人が持つ肌のバリア機能が低下した状態にあるということです。肌のバリア機能が低下すると、外部からの刺激を受けやすいため、細菌などによって感染しやすい状態であるといえます。
肌の構造は、上から順に、表皮、真皮、皮膚組織の3層に分かれ、外部などからの刺激を守る役目を持っているのは、表皮の一番上にある角質層といわれる部分です。角質層とは、レンガで例えるなら、角質細胞がレンガで、レンガとレンガを接着させるものが細胞間脂質になり、細胞間脂質の主成分である「セラミド」によって、肌のバリア機能を維持しています。そのセラミドが不足してしまう事によって、肌のバリア機能が低下し、その結果、アトピー性皮膚炎になりやすい状態になるといわれています。
アトピーになりやすい人の特徴は、その人がアトピー素因を持っているのかどうかということにあります。
具体的には、家族や親族にアトピーを持っている人がいる、既往歴がある事やIgE抗体が産生しやすいなどがあげられます。家族など親族にアトピーを持っている場合、遺伝的な要因によってアトピー性皮膚炎が発症することがあると考えられてます。
アトピーの既往歴とは主に、気管支喘息、アレルギー性鼻炎や結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれかが、すでに発症したことがある、または複数の疾患を発症したことがあることを意味します。IgE抗体とは、身体の中で作られる抗体の一つで、その抗体が活発に働き、産生することによって、アトピーを悪化させる要因になります。また、アトピー素因を持っている人の中でもアトピー性皮膚炎になる人もいれば、ならない人もいます。逆にアトピー素因を持っていない人でもアトピー性皮膚炎になることもあります。現時点で、なぜアトピー性皮膚炎が起きるのかについて、明確に判明していないといわれています。
アトピーの原因はさまざまですが、実は「まだわかっていない」という程度にとどまっています。考えられる原因の多くが、ダニや花粉などのアレルギーとされていますが、アレルギーとなる原因物質が多くあり、環境も含め、上述した遺伝的な要因のことも考えると、なにが原因でアトピーになっているのかを突き止めることが難しいといわれているからです。その原因の中に、生活習慣の乱れなども含まれます。
日常生活でみてみると、たとえば、食器を洗うときに洗剤や、入浴のときにシャンプーやボディソープ、女性であれば化粧品などが刺激物となって、アトピーを悪化させる要因につながることも考えられます。
乾燥によるかゆみが主な症状でもあります。かゆみにともなって赤く腫れ、ブツブツしたように皮膚が盛り上がるため、カサブタなどができることがあります。乳児は顔や頬(ほお)を中心に症状が現れますが、成長して小児期になると、症状は首の裏やひざ・ひじなどの関節部分にも現れ、成人になると、同様の症状を持ちます。また、乳児などで悩まされたアトピーが消えたと思ってい他のに、成人になってアトピーになったというケースもあります。
アトピーは、治療だけではなく、日常的なケアも重要となります。治療の継続は大切ですが、日常的なケアも併用して行っていくことで、予防にも効果は期待できるとされています。考えられる原因を一つひとつ改善していくことが大切になります。